地体構造古期岩類白亜紀・古第三紀付加体白亜紀~古第三紀正常堆積物深成岩類新第三紀火山岩類湖成層琉球石灰岩第四紀火砕流堆積物完新統

 鹿児島の地質概説

 地体構造

CCOP地質図(プレート境界はUSGSによる)
石で表示した日本列島の地体構造(産総研)石で表示した地質図(国立科学博物館)
 鹿児島は西南日本弧と琉球弧のちょうど会合点に当たっています。ジュラ紀付加体(秩父帯)や白亜紀付加体(四万十帯)の帯状構造が紫尾山付近で約120度屈曲しています。1500万年前(15Ma)日本海が裂開した時のヒンジに当たっているからだ、そこに紫尾山花崗岩(15Ma)が貫入しているのは、屈曲時に引っ張り応力場に置かれたためだと説明されています。一方、九州-パラオ海嶺が突っ込んできた(15Ma=四国海盆の拡大終了)ためとの説もあるようです。あるいは、現在も南海トラフが日向灘の方向に曲がっているように、上記地質体はそもそも曲がって堆積していたのかも知れません。
 日本海の裂開に伴って、マグマ活動が活発になり、日本海側にはいわゆるグリーンタフと呼ばれる新第三紀火山岩類が広く分布しています。鹿児島にも東シナ海側に同時期の同じような火山岩類が存在します。プロピライト(変朽安山岩)化して、金鉱床の母岩となっています。第四紀になると、フィリピン海プレートに平行な火山フロントが形成されますが、東北日本の太平洋プレートと違って、沈み込み角度が極めて急傾斜です。恐らくプレートがだんだん折れ曲がったためでしょうが、相対的にプレートが後退するような引っ張り応力場になり、鹿児島地溝が形成されました。「薩摩の金脈」で述べたように、金鉱床形成の場がだんだん東にシフトしている事実がそのことを示しています。加久藤・姶良・阿多のカルデラと恐らく鬼界カルデラも、そのような応力場で誕生しました。
 以下、稀少な古期岩類と分布面積の広い地質体について解説します。火山や砂丘・平野については別項をご参照ください。なお、地質図は産総研のシームレス地質図基本版を用いました。凡例はここです。地質図表示中、任意の点をクリックすると、その点の地質解説が表示されます。
 各論は容量が大きくなりすぎましたので、別ページとしました。

文献:
 各論を分割する際、参考文献欄を不用意に消してしまいました。学生さんは、ちょうど良い機会ですから、自分で探してみてください。

参考サイト:


初出日:2016/09/17
更新日:2019/09/23