白亜紀・古第三紀付加体

白亜系分布図(産総研シームレス地質図基本版から抜粋)(凡例古第三系分布図(産総研シームレス地質図基本版から抜粋)(凡例

古第三紀付加体のスランプ褶曲(南大隅町)
 白亜系と古第三系は力学的には硬岩に属し、新第三紀以降の軟岩とは全く違います。応用地質学的には一括して取り扱って良いでしょう。
 この時期の地層は、鹿児島県では、大部分、白亜紀付加体(四万十層群)と古第三紀付加体(日向層群・日南層群)からなり、前者は出水山地と高隈山地に広く分布します。その他、薩摩半島や大隅半島西部に残丘状に散在します。後者は宮崎県に主として分布し、鹿児島県では大隅半島西部の大隅花崗岩周辺に狭く分布します。出水山地と高隈山地には典型的な枕状溶岩もあります。付加体は整然層と違ってメランジュ状を呈しますので、土木地質学的には少々厄介です。新幹線紫尾山トンネルも難工事区間と指定され、先行工事が行われました。

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初出日:2016/09/17
更新日:2018/11/04