鹿児島市の地盤
鹿児島市地盤図(1995) | 鹿児島市の沖積地盤模式断面図(横田修一郞原図) |
埋立地以外のところは大丈夫でしょうか。鹿児島市内の地盤状況を見てみましょう。鹿児島市の後背地はシラス地帯ですから、他の沿岸都市と違ってかなり特殊で、沖積層も一口に言えば二次的に堆積したシラスからなっています。山内ほか(1976)によれば、乱したシラスは新潟砂のような普通砂よりも液状化しやすいとのことですので心配です。そこで、岩松を委員長とする鹿児島市地盤図編集委員会をつくり、6年かけて鹿児島大学地域共同センターと(社)鹿児島県地質調査業協会より、1995年3月『鹿児島市地盤図』を刊行しました。1995年1月17日が阪神大震災でしたから、絶妙のタイミングでした。
市役所付近 | 天文館付近 | 県庁付近 |
表層地質図(文献4による) Google earth用kmlはここ | 沖積層層厚線図(右は中心市街地の拡大図) |
まとめますと、建設基盤としても、また、地震のことを考えても、以下のところはあまり好ましくありません。
文献:
- 今村明恒(1920), 九州地震帯. 震災豫防調査會報告第九十二號, p.1-94.
- 入倉幸次郎(1996), 阪神大震災を引き起こした強震動. 京大防災研年報, No.39A, p.17-33.
- 入倉幸次郎(2000), 阪神・淡路大震災を起こしたものは何であったのか, 岩波科学, Vol.70, No.1, p.42-50.
- 鹿児島市地盤図編集委員会(1995), 鹿児島市地盤図. 鹿児島大学地域共同センター・(社)鹿児島県地質調査業協会, 132pp.
- 平 瑞樹(2016), 鹿児島市の沖積地盤における液状化危険度の評価手法に関する研究. 鹿大博物館News Letter, No.38, p.9-12.
- 山内豊聡・松田 滋・一瀬久光(1976), 沖積シラスの液状化について. 土木学会西部支部1976年研究発表会講演概要集, p.235-236.
- (), . , Vol., No., p..
- (), . , Vol., No., p..
参考サイト:
- かごしま地盤情報閲覧システム(鹿児島県建設技術センター)
初出日:2015/04/14
更新日:2016/12/28