いちき串木野に津波?



薩摩藩渡欧留学生が船出したとして名高いいちき串木野市羽島崎の羽島崎神社には、もと海辺にあった時に津波で被災したとの社伝が残されています。原記載は『三國名勝圖會』です。「海笑」と書いて「ツナミ」とカナが振ってあります。「海嘯」の当て字でしょうか。寛延元年は西暦1748年ですが、『新編日本被害地震総覧』(宇佐美 龍夫,1987)を見ても、寛延元年には地震の記録がありません。寛延元年9月2日(西暦1748年9月24日)に大風大潮があったそうですので、高潮かも知れません。なお、『三國名勝圖會』は、島津斉興の命により編纂された薩摩藩の地誌で、天保十四年(1843)に刊行されました。

更新日:2014/10/27