地震災害

 地震動災害

鶴田小学校余震分布図北西部地震震災地質図
 鹿児島で最近起きた大きな地震は1997年の鹿児島県北西部地震です。阪神大震災後、初めて震度6を超す大地震でした。1997年3月26日17:31(M6.3)、1997年5月13日14:38(M6.2)の地震が紫尾山南方で発生しました。メカニズム解は両方とも北東-南西圧縮の横ずれ断層型です。図は余震分布を示していますが、○印が3月□印が5月の地震です(図は鹿大地学科地球物理学講座による)。岩松ほか(1997)は5万分の1地質図上に被害状況を記した震災地質図を作成しました。赤が3月靑が5月の地震による被害です。建物被害については、円が全壊、半円が半壊で、山地崩壊は空中写真判読によりました。その他、道路被害や液状化なども記されています。幸いこの地震による死者はありませんでした。
 その他、県内であった地震としてはえびの地震(1968, M6.1)、大口地震(1994, M5.7)、吉松地震(1961, M5.5)などが挙げられます。なお、1914年桜島大正噴火ではM7.1の直下型地震も発生しました。

 液状化

 上記、鹿児島県北西部地震では出水市の干拓地や阿久根市水産加工団地などで液状化災害も発生しています。港では側方流動も発生し、護岸に被害が出ました。この時、遠く離れた鹿児島市内でもごく小規模ながら液状化現象も見られました。
 桜島大正噴火ではM7.1の地震があり、田上小学校の校庭に亀裂が入り、濁水が滔々と噴出したそうです。当時に比べて、海岸の埋立地は桁違いに広く分布しています。鹿児島で地震があったら、東日本大震災における千葉県浦安市と同様の事態が生じるでしょう。鹿児島は地震が少ないところとして、地震保険料も安いところですし、建築基準法上も規制が緩いところです。逆に言えば、地震に対して備えのない家が多いと言うことになります。必ず耐震診断を受け、対策を講じておきましょう。

 津波

 鹿児島でも津波は無縁ではありません。1960年のチリ地震では奄美市名瀬港で4.4mの津波が観測されおり、浸水1,800戸・護岸決壊などの被害を出しています(写真は名瀬測候所による)。枕崎や南さつま市加世田でも浸水被害が出ています。
 内閣府が出した南海トラフ連動型地震の予測では、最悪の場合、鹿児島県沿岸部にも2m~5mの津波がやって来るそうです。


更新日:2016/05/09
更新日:2017/08/15