サイエンスクラブ

サイエンスクラブについて

サイエンスクラブは，学部1年生から3年生までを対象に取り組んでいる課外活動です。
私たちは超伝導体や磁性体の研究に取り組んでいますから，サイエンスクラブでは以下のような実験テーマを通して，試料の合成や合成した試料の評
価を体験しながら，試料の合成方法や特性評価・解析方法について学ぶことができます。

サイエンスクラブに興味がある学生の皆さんは，私たちと一緒に実験をしましょう！

高温超伝導体を作って測る

銅酸化物高温超伝導体YBa₂Cu₃O_7-δ (YBCO)を作製して，物性評価を行っています。以下は過去に取り組んだ実験テーマです。

固相反法によるYBCO多結晶体の作製
マイスナー効果の観察
直流四端子法を用いた電気抵抗率の測定と超伝導転移温度の決定
SQUID磁束計を用いた完全反磁性の測定と超伝導転移温度の決定
アニールとクエンチによる酸素量と超伝導転移温度の制御
電子レンジを利用した銅酸化物高温超伝導体YBCOの合成

など

【今後取り組んでみたいテーマ】

Bi系銅酸化物高温超伝導体の作製
ポイントコンタクト（点接触型接合）法による銅酸化物高温超伝導体のトンネル分光
液体窒素用の簡易インサートの作製
マイコン（ADコンバータ）を用いた電気抵抗の簡易測定装置の開発

など

ホイスラー合金におけるハーフメタル物質や超伝導物質の探索

第一原理バンド計算から理論的にハーフメタル特性が予想されているホイスラー合金の合成と物性評価を行っています。以下は過去に取り組んだ実験
テーマです。

アーク溶解法によるMn基ホイスラー合金Mn₂VAlの合成
直流四端子法によるMn₂VAlの電気抵抗測定
SQUID磁束計を用いたMn₂VAlの磁化の測定

など

【今後取り組んでみたいテーマ】

ハーフメタル物質の探索
ホイスラー合金（強磁性体）と銅酸化物高温超伝導体（異方的超伝導体）を用いたトンネル分光
超伝導接合系におけるアンドレーエフ反射法を用いたホイスラー合金のスピン分極率測定
新規超伝導物質の探索
新規超伝導物質のトンネル分光

など

活動報告

国内学会や国際会議でサイエンスクラブの活動報告も行っています。

“Fabrication and measurement of high-temperature superconductor YBa2Cu3O_7-δ: Activity report of science
club”, Iduru Shigeta, Yuya Nishisako, Shinpei Urakawa, Osamu Murayama, Masakazu Ito and Masahiko Hiroi, The 12th Asia
Pacific Physics Conference (APPC12) and The third Asia-Europe Physics Summit (ASEPS3), July 14-19, 2013, International
Conference Halls, Makuhari Messe, Chiba, Japan.
“サイエンスクラブ：高温超伝導体を作って測るII ―熱処理の効果―”，重田出，伊藤昌和，日本物理学会第68回年次大
会，広島大学東広島キャンパス，3月26日-29日(2013).
“サイエンスクラブ：高温超伝導体を作って測る”，重田出，伊藤昌和，日本物理学会2012年秋季大会，横浜国立大学常
盤台キャンパス，9月18日-21日(2012).
“インテンシブ・サイエンスクラブ・プログラム：銅酸化物高温超伝導体YBa₂Cu₃O_7-δ”，重田出，伊藤昌和，平成23年
度応用物理学会九州支部学術講演会，鹿児島大学工学部，11月26日-27日(2011).
“Advanced experiments of high-temperature superconductors for undergraduate students” (Oral presentation),
Iduru Shigeta, Masakazu Ito, 4th International Symposium on Advances in Technology Education (ISATE2010), September 28-
30, 2010, Hotel Kyocera, Kagoshima, Japan.