2000年3月24日、鹿児島大学理学部地学科最後の卒業生を送り出しましたので、このホームページはこの日をもってフリーズしました。もう更新しません。悪しからず。
 なお、「かだいおうち」は日本における大学研究室ホームページの第1号です。歴史的遺産としてここにアーカイブしておきます。

台風9719号による災害


台風9719号|田代町で土砂災害|鹿児島市内の水害|避難勧告の教訓|野菜高騰|県内被害統計

台風9719号

 奄美大島名瀬の沖合で停滞していた大型で強い台風(19号中心気圧960hPa、最大風速49m/s)はゆっくりと北上、16日午前8時過ぎ枕崎に上陸した後、県本土を縦断して正午頃人吉方面に去りました(南日本新聞97.9.16夕刊)。速度が異常に遅かったため、県内全域は長時間暴風雨に見舞われ、各地に災害をもたらしました。
 その結果、徳之島で老人が吹き飛ばされて死亡したのをはじめ、4名の犠牲者が出ました。洪水・高潮・がけ崩れだけでなく、停電や交通途絶などライフライン災害もありました。とくに鹿児島と指宿方面を結ぶ幹線の国道226号では、喜入町前之浜付近で170m流失し、復旧の見通しは全く立っていないとのことです。(9/16)
 国道226号は復旧しました。(9/20)

◆田代町で土砂災害

 16日午前6時50分頃、肝属郡田代町鶴園でがけが幅50m、高さ30mにわたって崩れ、死者3名軽傷者3名の被害が出ました(南日本新聞97.9.16夕刊)。現場は急傾斜地崩壊危険区域だったそうです。田代町では12日の降り始めから622mmを記録する大雨が降っていました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたします。(9/16)
 17日、救助作業も終了したので、現地調査に行って来ました。調査報告は別ページにしました。

◆鹿児島市内の水害

 鹿児島市内でも甲突川や新川・稲荷川が警戒水位を超え、避難勧告が出されました。鴨池港付近の沿岸低地部や甲突町など市内各地で冠水し、床下浸水などの被害が出ました(南日本新聞97.9.16夕刊)。河川の溢流によるものではなく、下水の逆流による内水氾濫のようです。
 なお、枕崎市の沿岸部や吉松町・高山町でも冠水があり、加世田市万之瀬川でも避難勧告が出されたそうです。(9/16)

◆避難勧告の教訓

 田代町では2回防災無線で避難を呼びかけたそうですが、累計雨量が600mmを超していたのにもかかわらず自主避難はありませんでした。これだけの雨量があれば地質の如何によらず土砂災害が起こり得ますから、がけ下に住宅がある人は早めに避難すべきです。
 また、鹿児島市では前述のように避難勧告を出しましたが、対象となった人数は甲突川16,821人、新川5,790人など計23,000人あまりだったのですが、実際に避難所に入った人は僅か260人だったそうです(NHKニュース)。この中には対象外地域の方の自主避難も含まれるそうですので、勧告対象者の1%しか従わなかったことになります。「自分だけは大丈夫」といういわれのない安心感が大問題です。防災教育の徹底が望まれます。
 なお、多少の光明としては、今回自主避難した人がかなり出たことです。「自分の命は自分で守る」のが防災の鉄則ですから。出水市針原川土石流災害で避難勧告に従わなかったために亡くなったことが大きく報道された結果でしょう。(9/17)

◆野菜高騰

 台風襲来から3週間、鹿児島市を中心とする県内で野菜の高値が続いています。産地が台風被害にあったのと、県外高冷地の冷え込みとが重なったためとのことです。とくにキュウリは入荷が1/3となり、卸値で7割近くも上がったそうです。小売で1本100円を超すこともあり、もろきゅうで焼酎を一杯という訳にはいきません。(10/6)

◆県内被害統計

 9月19日午前9時現在の被害状況は次の通りです(県消防防災課調べ)。(9/22)

(1) 人的被害
死  者4人
負 傷 者9人

(2) 住家・非住家被害
区分全壊半壊一部損壊床上浸水床下浸水
住家21251,0585002,5034107
非住家11060636  806

(3) その他被害額(単位:千円)
土木関係農業関係林務水産環境生活保健福祉商工関係庁舎学校等
6,201,6586,672,476711,5852,04011,682465,80422,259

被害額総計14,087,504千円(調査中につき今後増加する見込み)


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更新日:1997年10月6日