2000年3月24日、鹿児島大学理学部地学科最後の卒業生を送り出しましたので、このホームページはこの日をもってフリーズしました。もう更新しません。悪しからず。
 なお、「かだいおうち」は日本における大学研究室ホームページの第1号です。歴史的遺産としてここにアーカイブしておきます。

情報地質学


地質学と情報科学|建設CALS|地質調査とインターネット|電子フィールドノート|地学科学生向けCAIソフト|アニメ募集|Bug Fix

◆地質学と情報科学

 上のジグソーパズルは、『情報地質』創刊時に表紙のデザインとして、当時鹿児島大学大学院生だった香川 淳さん(現千葉県水質保全研究所)が考えたものです。断片的な地質情報から地質構造を推定するという地質学的方法を象徴したのだそうです。地質学では、物理学的にきちんとメカニズムが解明されていなくても、周辺の情報から結論を得なければならないことがままあります。そのようなとき情報科学的な手法が役立ちます。データ処理やデータベースの作成にコンピュータが有用なことは論を待ちません。

◆建設CALS

 CALSはComputer-Aideds Logistic SupportないしContinuous Acquisition and Life-cycle Supportの略称です。企業・機関の精算・調達・運用などにおける支援統合情報システムと解されています。1995年に建設産業政策大綱が出されて以降、公共事業等のコストダウンを目的として、建設業でも建設CALS(公共事業支援統合情報システム)が真剣に取り上げられています。発注者・コンサルタント・施工会社がネットワークを組み、情報の共有や業務プロセスの効率化を図ろうとするものです。また、地質記号についても国際規格ISO710シリーズの制定が行われています。今や地質調査業も否応なしに情報化・国際化時代に突入しました。学生時代にコンピュータアレルギーを払拭しておきましょう。

<参考>

◆地質調査とインターネット

 最近はインターネットが普及してきて、さまざまなところで使われるようになりました。
 九州農政局ではダム建設現場の地質状況をその都度インターネットで地質官に報告しています。ハイパーテキスト(HTML文書)になっていますから、ブラウザで見ることができます。左図はその一例で、横坑平面図の一部です。原位置試験の位置をクリックするとスケッチと写真が見られます(左図ではBS-7の赤四角のみ)。地質官はこれを見て現地に行く必要があるかどうか判断するのだそうです。公表を許可された榎並地質官に感謝します。

◆電子フィールドノート

 地質調査の際、野外で観察事項をメモするのがフィールドノート(野帳)です。忙しい調査の最中ですから、簡単なキーワードで済ませることが多いものです。しかし、たとえどんなに詳しくメモを取ったとしても、目で観察したことはその何倍もあるはずです。ですから宿舎に帰ったら必ずメモを整理し、文章化しておかなければなりません。最近はノートパソコンが小型軽量化しましたから、フィールドの宿まで持って行くことが多くなりました。そこで記載を整理するための電子フィールドノートを開発しました。参照:情報地質学会講演

◆プログラミングの習得を

 最近は便利なソフトがたくさん出ています。しかし、地質学向けの専門的なものはそう多くはありません。やはり、自作することが必要になります。BASICのような初歩的言語ぐらいは自由に扱えるようになりましょう。プログラミングはそれほど難しくありません。食わず嫌いをやめて、先ず一歩踏み出しましょう。楽しみながら習得するのが一番早道です。そこで、10年以上前に次のような地学科学生向けCAIソフトを作ってみました。当時わが国で一番ポピュラーなパソコンだったNECのPC-9801用です。N88-BASIC(MS-DOS版)で作ってあります。ご希望の方はご自由にダウンロードしてください。いずれもMSーDOSのテキストファイルです。単にソフトを実行して遊ぶのではなく、ぜひリストを取ってプログラムを研究してみてください。
 なお、ステレオ投影と小断層解析法の解説はBASICのまま実行すると遅いので、コンパイラーを使ってコンパイルしてから使用されたほうがストレスが少ないと思います。
<注>
 従来のN88BASICをWindowsで走らせるフリーウェア(潮田康夫氏作)のソフトN88互換BASIC for Windows95 ver. 1.02(2,537KB)があります(転載許可をいただいた潮田氏に感謝します)。98の資産を有効活用するには大変便利です。お試しください。ただし、当然のことながらPC-9801のハードを直接制御するコマンドを使用しているのもダメです。なお、上記のプログラムは、かなり技巧を凝らした98独自のサブルーチンが組み込まれていますので、ほとんど動きません。悪しからず。どなたかこれらをWindows版Visual Basicに移植してくださいませんか。

◆アニメ募集!

 バラバラだったジグソーパズルのピースがだんだん組み合わさって上の地質断面図が完成するアニメ(gifアニメでもShockwaveでも、あるいはWindowsのAVIファイルやMacのMOVファイルでも何でも結構です)を募集します。すてきなものが出来上がったら下記宛に送ってください。このWWWと日本情報地質学会のWWWに載せて公表します。

◆ バグのおわび

ご迷惑おじさん
 岩松の作成したステレオ投影および小断層解析の実用プログラムが世間に広く出回っています。8ビットパソコン時代に作ったver.1から16ビット時代のver.5までいろいろなバージョンがあります。いずれもディメンジョンの取り方に問題があり、256個以上のデータを入力するとハングしてしまいます。
 8ビット時代はメモリが少なかったため、
   DIM AZ(255),DP(255),GP(255) →変数が使えなかったシャープMZ用
   あるいは、N=255 : DIM AZ(N),DP(N),GP(N),COL(N),UNDO.COL(N) →PC-9801用
などと、ディメンジョンを255しか取っていません。いずれも255のところを1000以上の適当な数に変更していただければ正常になるはずです。
 16ビット時代のもので後半に作ったものは、学生達の要求でいろいろ便利なアクセサリを付け足した際、Nという変数を2個所で使ってしまう初歩的ミスを犯しました。上記のディメンジョンのところを
NN=1000 : DIM AZ(NN),DP(NN),GP(NN),COL(NN),UNDO.COL(NN)
などと別の変数名に変更してください。
 以上、深くお詫びいたします。

★Bug-fix版(これにもバグがあるかも知れません)

実用ステレオ投影ver. 5.1 stereo.bas,stereo.exe
実用小断層解析ver. 5.1 fault.bas,fault.exe
<注>basはソースコード(テキストファイル)、exeは実行ファイル(バイナリファイル)です。上記のバグを修正しただけで、プロッタやイメージカッターなど現在では不要な部分も残っています。ソースコードも付けましたので、適当に削除してコンパイルし直してお使いください。
 なお、待望のWindows版が大阪市立大学大学院山口貴行氏によって制作されました。いずれ正式版がGEOPAKで入手できるようになると思います。期待してお待ちください。


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更新日:1999年9月29日