SDGs

 SDGsとは

SDGsの17の目標(外務省訳)
 2015年ニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開かれ、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。アジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、次の17の目標を掲げています。SDGs(Sustainable Development Goals)です。これらはさらに169のターゲットに細分されています。
  1. 貧困の撲滅
  2. 飢餓撲滅、食料安全保障
  3. 健康・福祉
  4. 万人への質の高い教育、生涯学習
  5. ジェンダー平等
  6. 水・衛生の利用可能性
  7. エネルギーへのアクセス
  8. 包摂的で持続可能な経済成長、雇用
  9. 強靭なインフラ、工業化・イノベーション
  10. 国内と国家間の不平等の是正
  11. 持続可能な都市
  12. 持続可能な消費と生産
  13. 気候変動への対処
  14. 海洋と海洋資源の保全・持続可能な利用
  15. 陸域生態系、森林管理、砂漠化への対処、生物多様性
  16. 平和で包摂的な社会の促進
  17. 実施手段の強化と持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップの活性化
 横井(2018)はSDGsの意義と特徴を次に5つにまとめています。
  1. 新たな「持続可能な開発」の考え方として、地球システムの保全を前提条件としている。
  2. 基本理念に一人ひとりの人権を尊重する「人間の安全保障」がある。
  3. すべての国と地域が対象である。
  4. 多様なセクターと分野が含まれた包括的かつ統合的な目標である。
  5. 策定プロセスに多様なステークホルダーが関わっている。
 その上で、「地方都市」はSDGsのインキュベーションとなる絶好のチャンスを持っており、国際社会における日本のイニシアチブの鍵は、地方が握っていると付け加えています。

 SDGsと学術

 日本学術会議環境学委員会(2017)は、SDGsに関して学術界の果たすべき役割について、次のように述べています。
 SDGsの特徴の一つが、多様なステークホルダーがそれぞれの立場で目標実現に向けたプロセスを示しうる包摂性にあるとして、SDGsの掲げる高い目標に対して科学的な根拠を与えることが学術界の責務と述べています。すなわち、そこに到達するための科学技術・社会イノベーションのあり方について、対策や課題、手法などを具体的に提示することが求められているのです。サステイナビリティ学や Future Earth といった超学際(Transdisciplinary)研究も多様なステークホルダーとの協働を通して、SDGs の達成に貢献する役割を担うとしています。また、そのためには幅広い地球規模の課題に関するリテラシーが求められることから、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development: ESD)によって健全な「市民」のマインドを持った「専門家」の養成を行うことが重要だと指摘しています。
 地球科学の立場から見ても、SDGsのたくさんの課題の中には、水・エネルギー・都市・減災・海洋・資源・砂漠化・土地劣化などなど、地球科学が深く関わっている諸問題が含まれています。地球科学分野からの貢献が求められています。

文献
  1. 国連文書 A/70/L.1(外務省訳)(2015), 我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ.
  2. 日本学術会議環境学委員会(2017), 持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて日本の学術界が果たすべき役割. 日本学術会議, 42pp.
  3. Griggs, D., Stanford-Smith, M., Rockström, J. Öhman, M. C., Gaffney, O., Glaser, G., Kanie, N., Noble, I., Steffen, W. & Shyamsundar, P.(2014), An integrated framework for sustainable development goals. Ecol. Soc., Vol.19, No.4, : 49 DOI 10.5751/ES-07082-190449
  4. 小﨑 隆(2020), 土といのち. 学術の動向, Vol.25, No.11, p.16-21.
  5. 小村俊平・金井達亮(2018), これからの教育とSDGs─生徒がエージェンシーを発揮する学びとは. 学術の動向, Vol.23, No.8, p.38-43.
  6. 及川幸彦(2020), ESD/SDGsを実践する視点と戦略. 学術の動向, Vol.25, No.7, p.75-79.
  7. Reddy, D.(2019), SDGs及び科学と政策の接点. 学術の動向, Vol.24, No.3, p.40-42. →著者はISC会長
  8. 鈴木克徳(2020), ESD/SDGsの新たな展開. 学術の動向, Vol.25, No.7, p.70-74.
  9. 横井篤文(2018), SDGsの生い立ちと国際社会における日本のイニシアチブ. 学術の動向, Vol.23, No.8, p.27-31.
  10. (), . , Vol., No., p..
  11. (), . , Vol., No., p..
  12. (), . , Vol., No., p..

参考サイト:



初出日:2018/02/28
更新日:2020/12/13