志布志砂丘

志布志砂丘の地形分類(永迫ほか,1999)
a:山地・丘陵 b:台地 c:砂州 d:SD1砂丘 e:SD2砂丘 f:SD3砂丘
g: SD4砂丘 h:SD5砂丘 i:自然堤防 j:旧河道 k:後背湿地・谷底平野
産総研5万地質図「志布志」
くにの松原横瀬古墳(前方後円墳)
 志布志砂丘も日本三大砂丘の吹上浜砂丘に負けない大きな砂丘です。肝属平野にはシラス台地崖端部に発する北北東-南南西の砂州が3列、堤間湿地を挟んで併走しています。内陸側から大塚砂州(大矢・市瀬,1960)・横瀬砂州(永迫ほか,1999)・志布志砂州(永迫ほか,1999)と名付けられています。大塚砂州にはほとんど砂丘は載っていませんが、北端部に第1砂丘SD1があり、大塚砂州の離水した5,500年前頃形成されたと考えられています。横瀬砂州は第2砂丘SD2に覆われており、標高は10mを超えています。5,000年前頃形成されたとされています。なお、ここには有名な横瀬古墳が造営されています。志布志砂州には大規模な砂丘が発達しており、最高点は27.2mに達します。永迫ほか(1999)はこれをSD3~SD5に細分しました。SD3は縄文中期以後、一番大きなSD4は江戸時代後期以降、シラス台地の開発に伴って形成されました。SD5は現生です。なお、堤間湿地には最大5mに及ぶ厚い泥炭層が堆積しています。

文献:
  1. 小牧実繁(1934),本邦海岸砂丘固定作業史の断片(第一報). 地理論叢, Vol., No.3, p.113-208.
  2. 町田洋他編(2001), 『日本の地形7 九州・南西諸島』. 東大出版会, 355pp.
  3. 永迫俊郎・ 奥野 充・森脇 広・新井房夫・中村俊夫(1999),肝属平野の完新世中期以降のテフラと低地の形成. 第四紀研究, Vol.38, No.2, p.163-173.
  4. 大矢雅彦・市瀬由自・和島誠一(1959),志布志湾岸の平野地形 第1報―海岸砂丘を中心として―. 資源研彙報, No.49, p.39-50.
  5. 大矢雅彦・市瀬由自(1960),志布志湾岸の平野地形 第2報―砂州及び海岸砂丘を中心として―. 資源研彙報, No.52/53, p.54-92.
  6. 阪口 豊(1960),肝属平野の泥炭層について. 資源研彙報, No.52/53, p.93-95.
  7. 竹部嘉一・成瀬敏郎(1998),近世以降のシラス台地開発に伴う鹿児島県の海岸砂丘形成 . 第四紀研究, Vol.37, No.2, p.107-115.
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初出日:2015/01/27
更新日:2020/06/28