ジオスイーツ

化石チョコジオ菓子
 ジオパークと世界遺産は、どちらもユネスコのプログラムで、そこにある遺産を保全し教育研究に活かすという点では共通していますが、ジオパークは地質遺産を活用して地域振興にも役立てようという点が異なります。そこで、どこのジオパークもジオツアーだけでなく、お土産品の開発に熱心に取り組んでいます。
 地質に関するお土産品としては、ジオパーク制度が出来るはるか以前から、そこの特産品である鉱物や岩石の加工販売が行われていました。山梨県昇仙峡の紫水晶、新潟県糸魚川のヒスイ、山口県秋吉台の大理石、栃木県塩原の木の葉石(植物化石)、大分県別府の湯ノ花などが有名でした。しかし、ユネスコは岩石鉱物の加工販売は保全と相容れないとして禁止しています。
 そこで、勢い菓子類の開発に目が向きます。伊豆大島や桜島などの火山では、ずっと前からカルメ菓子をスコリア風に黒っぽく色づけしたり、逆にカラフルにしたりして、「溶岩菓子」と銘打って売っていました。まだ、スコリアなる言葉が知られていない時代です。溶岩表面のガサガサした部分をイメージしたのでしょう。もう少しアカデミックにしたいと産総研が2008年地質の日に化石チョコを監修し、横浜の菓子屋さんから発売しました。恐らく同年に設立されたジオパークへのエールの意味もあったのでしょう。ジオパークが誕生してから、先ず伊豆半島ジオパークジオ菓子®を開発、大変好評でした。今ではジオガシ旅行団の登録商標になっています。
 トップランナーだけ紹介しましたが、まだたくさんあると思います。しかし、いずれも商品ですので、大学サーバの商業利用と疑われかねませんから、紹介は止めておきます。
 なお、「ジオスイーツ」は福井大学のプロジェクト名として使われていますが、島原等でも既に一般に使われており、著作権も設定されていないようですので、タイトルとして使用しました。

文献
  1. 三好雅也・内山田朋弥(2017), Geo Sweets 開発プロジェクト. 平成 28 年度 福井大学地域貢献事業支援金.
  2. 鈴木美智子(2019), 大地と人をコネクトする全国ジオ菓子ネットワーク. 月刊地理, Vol.64, No.5, p.20-25.
  3. (), . , Vol., No., p..
  4. (), . , Vol., No., p..

参考サイト:



初出日:2020/02/17
更新日:2020/02/18