外所地震供養碑

 外所(とんどころ)地震は寛文2年(1662)に発生したM7.6の日向灘地震です。佐土原藩領(現・宮崎市佐土原町)で6強、宮崎県下の大部分で震度5以上の揺れがあったと推定されています。津波も宮崎付近で4~5m、延岡で3~4m、志布志で2~3mあったといわれ、死者200人、全壊家屋3,800戸の大被害を出しました。それだけでなく、沿岸部では地盤沈下と津波により7ヶ村が海中に没しました。ここ島山だけが残ったのだそうです(現在でも右図のように地形的な高まりになっています)。そこで、ここに犠牲者を悼む供養碑が建てられました。他の災害記念碑と違うところは、50年ごとに新しい記念碑を建てて、災害の風化を防いだことです。計7基あります。
 正確に50年毎ではありませんが、新しいものを建て続け、災害の記憶を残そうとしたのでしょう。東日本大震災でも岩手県大槌町では石碑ではなく木碑にしたそうです(コラボ・スクール)。木は腐りますから、四年毎の建て替えを前提としたのです。
 蛇足ながら、今年2014年5月桜島大正噴火100周年に当たって、大正噴火百年の碑も、建立されました(右写真)。

文献:

  1. 安井 豊・田辺 剛(1961), 日向灘の外所地震津波調査について. 験震時報, Vol.26, No.1, p.33-38.
  2. 国土交通省社会資本整備審議会第49回河川分科会(2013), 宮崎県沿岸における津波浸水想定説明資料. 25pp.
  3. (), . , Vol., No., p..
参考サイト:


初出日:2014/10/27
更新日:2019/04/08