災害弱者鹿児島市高齢者居住分布

 災害時要支援者

 災害弱者

要支援者名簿(鹿児島市HP)
 高齢者や障害者等は災害のような非常時には避難はもちろん、さまざまな局面で支援が必要です。昔は災害弱者と呼ばれていましたが、あまり良い表現ではありませんので、最近は「災害時要支援者」と呼ばれます。地元のどこにどのような支援を必要とする方がおられるのか、常日頃から把握しておかないと、いざというときに役立ちません。現在では法律で名簿作成が義務づけられ、自治体ごとに作成されています。本人の同意があれば民生委員にも提供されますが、一般的には個人情報保護法の縛りがあって、容易に閲覧できません。都市化が進んで無縁社会化し、町内会が機能不全に陥っている現状では、要支援者が取り残されないか心配です。
 高齢者がどの付近にお住まいか知る手立てはないものでしょうか。年齢が公開されているデータについては国勢調査があります。ただし、500mメッシュ(場所によっては250mメッシュ)ごとに年齢と性別が記録されています。2010年国勢調査に基づき青山学院大学井上孝教授が町丁字別の将来推計人口を公表されました。これを東京大学空間情報科学研究センター西沢明特任教授が按分して100mメッシュデータとして公開されました。下図は、これをもとに2025年の75歳以上の推定人口を5段階表示で示したものです(メッシュデータが大容量なので、読み込みに時間がかかる場合があります)。両教授に篤く謝意を表します。

 鹿児島市における高齢者の居住分布

 鹿児島市についてみると、上町地区(鹿児島駅周辺)、松原地区(新屋敷町・甲突町周辺)、三和町地区に高齢者の方が多く住んでおられます。いずれも標高が低く、津波災害を受けやすいところです。郊外シラス台地の団地では造成年数の古いところほど高齢化が進んでいるようです。中でも公営住宅(市営アパート・県営アパート)に高齢者が集中しているようです。
透明:無人0.00-17.16人17.16-34.32人34.32-51.48人51.49-68.64人68.34-85.76人
2025年の75歳以上の推定人口(2010年国勢調査に基づく)


文献:
  1. 内閣府(2013), 避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針. 内閣府, 41pp.
  2. 災害時要援護者の避難対策に関する検討会(2006), 災害時要援護者の避難支援 ガイドライン. 内閣府, 23pp.
  3. 日本赤十字社(2006), 災害時要援護者対策 ガイドライン. 日本赤十字社, 53pp.
  4. 中谷 剛(2020), 降灰リアルタイムハザードマップ作成手法の検討(第一報). 鹿児島大学地震火山地域防災センター令和元年度報告書, p.63-68.
  5. (), . , Vol., No., p..
  6. (), . , Vol., No., p..

参考サイト:



初出日:2020/04/03
更新日:2020/06/13