2022年台風14号 Nanmadol

 鹿児島直撃台風

ひまわり画像(2022/9/15-9/19)(国立情報学研究所)台風11号経路図
(マーカーをクリックすると、時刻と中心気圧・最大風速が表示されます)
 昔、台風はマリアナ近海で発生するのが定番でしたが、近年は温暖化に伴い海水温が上昇したためか、日本近海でしばしば発生するようになりました。この14号台風も同様です。海水温が高かったため急速に発達、屋久島近海で最低気圧910hPa、最大風速105kt(54.0m/s)と猛烈な台風になり、錦江湾に突入、鹿児島市に上陸しました。上陸時の気圧はやや衰えて935hPaでした。その後北上を続け、北部九州で北東方向に転向しました。転換点も従来と違って、ずいぶん北に寄っています。

 鹿児島県内の被害

雨雲の動き(2022/09/18 19:20時点)土砂災害危険度分布(2022/09/18 18:50時点)川の防災情報(2022/09/18 18:57時点)
 この台風の接近に伴い多くの市町村に警戒レベル5の緊急安全確保が発令されました。交通機関の欠航や一部地域での停電・断水、さらには倒木などのほか、農業被害も出ました。大局的には、今のところ軽微な被害でとどまっているようです。変わった例では建設中の高層ビルで、大型クレーンが折れ曲がり、垂れ下がった状態になりました。警戒されていた土砂災害は幸いにして発生しなかったようです。
 広域にわたって警戒レベル5が発令された割には被害が少なかった、空振りではないかとの声がありますが、京大防災研矢守教授のおっしゃるように、本番に備える素振りと考えましょう。

文献
  1. 矢守克也(2018), 空振り・FACPモデル・避難スイッチ―豪雨災害の避難について再考する―. 消防防災の科学, No.134, p.7-11.
  2. (), . , Vol., No., p..
  3. (), . , Vol., No., p..
  4. (), . , Vol., No., p..
参考サイト:



初出日:2022/09/17
更新日:2022/09/20