2000年3月24日、鹿児島大学理学部地学科最後の卒業生を送り出しましたので、このホームページはこの日をもってフリーズしました。もう更新しません。悪しからず。
 なお、「かだいおうち」は日本における大学研究室ホームページの第1号です。歴史的遺産としてここにアーカイブしておきます。

資源地質学


金鉱石|金脈の話(鉱脈型鉱床の構造規制)

◆菱刈鉱山の金鉱石

金鉱石  左の写真(住友金属鉱山パンフより)は世界でも有数の品位を誇る鹿児島県菱刈鉱山の金鉱石です。普通は銀黒といって少し灰色に汚れた石英脈から産出し、このように肉眼でも金色に見えるのは稀です。鉱石の金含有量は約60g/tonで、南アの10倍近い高品位とか。

菱刈鉱山、金産出量日本一

 今まで日本一の金山は佐渡金山でした。江戸時代から昭和まで400年かかって83tonの金を産出したと言われています。ところが1997年5月31日、菱刈鉱山はわずか12年足らずでこの記録を抜いたそうです。なお、推定埋蔵量は約260tonですから、このペースでもあと40年近くはもちます。

◆金脈の話

地質断面図  では金脈はどのようなところにあるのでしょう。東京は永田町にあるのでしょうか。冗談はさておき、左図は菱刈鉱山の地質断面図を示しています。基盤である四万十層群の高まりの伸びの方向に平行に金鉱脈が入っています。つまり、基盤の高まりをもたらすような構造運動(褶曲?、地塁?)に伴って引っ張り割れ目が形成され、その中に熱水が浸入してきて有用鉱物を沈殿させたのです。金脈を探すには、先ずこうした場の問題が第一義的に重要になります。それから次に変質など鉱床を形成する地球化学的な機構の研究が必要になります。本講座では前者の構造地質学的な研究も行っています。


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更新日:1997年5月31日