2000年3月24日、鹿児島大学理学部地学科最後の卒業生を送り出しましたので、このホームページはこの日をもってフリーズしました。もう更新しません。悪しからず。
 なお、「かだいおうち」は日本における大学研究室ホームページの第1号です。歴史的遺産としてここにアーカイブしておきます。

ISO710地質記号


ISOとは|ISO710|堆積岩|火成岩|変成岩|地質構造

◆ISOとは

 ISOネジを知っていますか。ネジの頭にポチッと円い小さな穴が刻印されている奴です。JISネジとはネジ山のピッチが違うので困った経験がおありだと思います。国際標準化機構International Organization for Standardizationが制定した国際規格のネジなのです。皆さんの身近なところでは、CD-ROMのISO9660規格は、WindowsでもMacでも読み込み可能ですから大変便利です。こうした統一規格があらゆるところで制定されるのは、これからの世界の流れでしょう。地質学の世界も例外ではありません。業界でもISO9000シリーズやISO14000シリーズ(いわゆる環境ISO)取得ブームが起きています。

◆ISO710地質記号

 地質図や地質断面図に使用する記号はISO710に定められています。1974年9月にPart I,IIの初版が発行されました。この時の会議には日本代表も参加しているようですが、PartIII以降は出席していません。アメリカは未だにメートル法採用に抵抗し、ヤードポンドを使っているお国柄ですから、ISOにも冷淡のようで会議には参加していません。やはりヨーロッパとくにフランスが中心的役割を果たしています。当然、安定大陸の地質を前提とした記号ばかりですから、メランジュのような変動帯特有の岩石については記号がありません。わが国の一般的習慣と違うものもたくさんあります。地質学会や地質調査所が積極的に参加して、「島弧からの発言」を反映させなければ、私たち日本人にとって大変使いにくいものが世界標準とされ、建設CLASなどで使用を強制される事態になることでしょう。さらにはいずれ大学における教育にも影響が出るに違いありません。
 ISO710は次のような分冊から成り立っています。カッコ内は初版の発行日です。
  1. 一般的規則(1974-09-15)
  2. 堆積岩(1974-09-15)
  3. 火成岩(1974-09-15)
  4. 変成岩(1982-04-15)
  5. 鉱物(1989-?-?)
  6. 接触変成岩・変質岩・風化岩(1984-06-01)
  7. 地質構造(1984-08-01)
 以下、主要なものについて紹介します。もちろん、さまざまなバリエーションがありますが、煩雑なので省略します。
 なお、その後地質調査所で和訳をインターネットで公開しました。

◆堆積岩の記号

岩屑シルト角礫
礫岩砂岩シルト岩泥岩頁岩石灰岩
泥灰岩石膏硬石膏岩塩珪質岩泥炭

◆火成岩の記号

アルカリ花崗岩酸性花崗岩花崗岩閃長岩
閃緑岩斑糲岩準長石質深成岩超塩基性岩
アルカリ流紋岩流紋岩石英安山岩粗面岩
安山岩玄武岩響岩テフライト

◆変成岩の記号

片岩・千枚岩緑色片岩雲母片岩片麻岩角閃岩

◆地質構造の記号

断層(センス不明)正断層逆断層横ずれ断層
背斜軸背斜軸面向斜軸向斜軸面

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更新日:1999年9月9日