昨年に引き続き「さくらセミナー」と題した催しを以下の要領で開催致しますのでご案内申し上げます.
オープニング
只野 誉(大阪大学大学院理学研究科) 複素構造の変形について 小平-Spencerによって創始された複素構造の変形理論を、いくつかの具体例とともに紹介する。
14:05 〜 14:20 休憩
竹内 光悦(実践女子大学人間社会学部) 『統計的な考え方』を考える?
15:20 〜 15:35 休憩
武田 朗則,上床 航平,森久保 啓太(鹿児島大学理学部・平成24年度サイエンスクラブIII) ディリクレの算術級数定理 本講演では、素数の分布に関するディリクレの算術級数定理とその証明を概説する。 初めに、ユークリッドの互除法を用いた素数の無限性の証明のアイディアでは、 ディリクレの算術級数定理の一部分のみ証明できることを述べる。 そこで、有限アーベル群上のフーリエ解析を導入することにより、 ディリクレの算術級数定理を証明する。
小崎 光喜,礒脇 勇太(鹿児島大学理学部・平成24年度サイエンスクラブIII) リーマンのゼータ関数の特殊値 本講演ではリーマンのゼータ関数の正整数における特殊値の計算法を概説する。 まず、よく知られたベルヌーイ数の漸化式を経由した正偶数における特殊値の漸化式と Dancs-He (J. Number Theory, 118 (2006)) の正奇数における特殊値の漸化式を紹介する。 次に、フーリエ級数による正偶数における特殊値の漸化式の導出を紹介し、 正奇数における特殊値に対する見通しを述べる。
17:00 〜 17:15 休憩
稲田 浩一(鹿児島大学大学院理工学研究科) 統計学との出会い
18:30 〜 懇親会
浜田 法行(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所) Surface mapping class groups and symplectic 4-manifolds 曲面の写像類群はそれ自身の数学的内容の豊富さもさることながら、低次元トポロジーの様々な分野で重要な役割を果たし、群としての代数的な研究も盛んである。講演では、曲面の写像類群とその基礎理論を説明し、さらにその応用としてシンプレクティック4次元多様体のトポロジーとの関係について紹介する。特に geography problem と呼ばれる問題についての新たな視点を与える。
11:00 〜 11:15 休憩
山口 俊博(高知大学教育学部) 詰め込み複体 vs トーラス階数複体
12:15 〜 13:30 お昼休憩
篠原 雅史(鈴鹿工業高等専門学校) 差集合の位数が小さくなる実数の部分集合について
に対し,
の差集合
を次で定義する.
ここでは, 差集合の位数 .
に注目する. 平行移動, 拡大縮小, 折り返しで重なる二つの集合
は
となるので, このような
を同型とし, 以後その同型類について考えて行くことにする. また,
における最小の差が
で,
となるように正規化して考える. 本講演では, この問題のパズル的な一面を紹介し,
が
にくらべて十分小さければ, (より正確に
なら)
となることを示す. また, 距離集合の研究における応用についてお話できればと思う.
14:30 〜 14:45 休憩
山口 尚哉(九州大学大学院数理学府) 群行列式の因数分解の群環版 有限群に対して、群行列式という概念がある。この行列式はきれいに因数分解されるという事実があるのだが、これの群環版を考えたので報告する。ただし、アーベル群の場合は完全に解決したのだが、非可換群の場合は、ごく単純な対称群S_{3}の場合に成り立つことを確認した。
15:45 〜 16:00 休憩
阿部 翠空星 On 4-cocycles of Alexander quandles on finite fields We give a basis of the forth cohomology group of an Alexander quandle on a finite field when its second cohomology group vanishes. In particular, we give concrete presentations of many 4-cocycles in terms of relatively simple polynomials, which are expected to be useful in the study of surface link theory.
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