特研B簡易版|'96夏休み成果報告
[特研B簡易版]
特別研究B 十三塚原台地における火砕流台地の地形発達史

Historical development of landforms of Pyroclastic Flow Plateau in“ Jyusantsukabarudaichi”

南九州には,第四紀の入戸火砕流堆積物によって形成されている“シラス台地”とよばれる広大な平坦面を呈する地形が多くみられる.鹿児島県中央部に位置する十三塚原台地はシラス台地の代表的なもので,標高200m〜280mの間に広大な平坦面を呈している.この平坦面は,入戸火砕流堆積物の堆積時(24,500y.B.P;奥野,1996)の上面にあたると考えられ,さらにその平坦面は現在よりも広範囲に分布していたと考えられる.その後,これらの平坦面が様々な浸食作用によって開析され現在の地形が形成させたと考えられる.つまり,広大な平坦面を有するシラス台地は,開析作用に対する抵抗が強くその影響が少なかった場所であり,逆に平坦面が断片的もしくは残されていない地域は開析作用に抵抗できなかったために浸食が進んだものと考えられる.このような台地を開析する河谷には,“深い谷”と“浅い谷”の二つの横断形態の異なる谷がみられ,前者の谷は明瞭な谷底平野との地形境界をもっており,台地を深く切り込み,台地を分断していることが多い.一方,後者の谷は谷底平野との地形境界は不明瞭であり,台地上に存在し,現在もなお,特徴的な地形を保っている.
本研究の調査範囲内で褐嚼ン技術研究所が斜面における降雨の浸透形態を解明する目的で,電気探査による比抵抗値の測定を行っていた.今回このデータを利用させていただく事ができた.そして,特殊な斜面形態(“深い谷”と“浅い谷”の形態を一つ斜面にもつ)の場所において,降雨の浸透形態を知ることができた. 本研究ではこのような形態のことなる開析谷の地形・地質的特徴を調べその発達史について考察するとともに,谷の斜面その内部での水の循環について調査した.

十三塚原台地周辺の地形・地質調査および電気探査の測定データより,以下のことが明らかになった.

1. 火砕流台地である十三塚原台地を開析する谷は,河谷の上流域に存在する浅い谷とその下流域に存在する深い谷によって構成されている.
2. 浅い谷と深い谷は,入戸火砕流堆積直後はその堆積面上を流れる浅い谷の形状を示す河谷もしくは,地表流を形成していた.これを“古浅谷”と名付けた.
3. 開析されていない入戸火砕流堆積当時の堆積面が現在の入戸火砕流堆積面であり,その面上にのみ浅い谷が分布している.
4. 開析されない入戸火砕流堆積当時の堆積面は,入戸火砕流堆積物より古いの旧地形面において高まりの部分であった.また,この高まりは岩戸火砕流堆積物の形成する台地であると考えられる.
5. 電気探査のデータにおいても,岩戸火砕流堆積物によって形成された台地の存在を確認できる.
6. 入戸火砕流堆積面が残っている場所は,岩戸火砕流堆積物をアバットして入戸火砕流堆積物が分布している場所であり,この堆積面が残る理由は,他の基盤とは違って強い降雨の時には,岩戸火砕流堆積物に浸透が起きるために,降雨の強さが和らげられるからである.
7. 本調査地域の条件があてはまる斜面は,比較的安定した斜面であると考えられる.
8. 火砕流台地を形成するものは,基盤と比べて透水係数がよい過去の火砕流堆積物の存在によるものである.


無事 完遂?

特別研究Bは完成しました
狼を飼い慣らすことは不可能なことだ、ゾと。昔も、今も、 これからも・・・


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まもなく、ここは消滅致します。ご迷惑をおかけしました。

[1996年夏休み研究成果報告]
★★★★特別研究 B★★★★

夏休み成果報告       比抵抗値測定データの地質学的検証(仮)    4年 佐々木 登範
1. はじめに

 第四紀火砕流堆積物より構成される台地上の比抵抗値と降雨の関係の研究は多くなされている。しかし、台地面・斜面を全体としてとらえた降雨浸透の研究はされていない。そこで、今回は斜面全体としてとらえた場合の降雨浸透形態の解明をすること、また、わかり得た物事を地質学的に考察することを目的とした。シラス台地における斜面崩壊の解明の一角を担うことが究極目的となる。

 概要として、比抵抗値測定のために張られた測線の位置は、鹿児島県中央部に位置する十三塚原台地(東西6.5q南北9q、標高約200m〜250m)の開析された斜面上である。本斜面は、南を流れる日木山川の支流によって開析された谷の末端に位置する。探査測線(総延長71m)として、台地上は1m間隔で40m、斜面上は0.5m間隔で19m、垂直面は1m間隔で12mの合計97本の電極を埋め込んだ。計測開始は*95/7/23で現在も計測は継続中である。今回、*96/4/18〜8/7の期間を対象とした(計器故障によるデータの欠落を含む)。

2.これまでの成果

 探査測線を引いた斜面は、シラスと呼ばれる入戸・妻屋火砕流堆積物の非溶結ないし弱溶結部より構成される。垂直面下部は現河床堆積物上の崖錐堆積物に覆われている。測線の北部の谷底に円礫の層があり、現在検討中である。現在までに得られたデータより次のことがいえる。

・ 期間内の総雨量は1558.5mm(台風1回含)である。降水量は平年と比べて5月が少なく6・7月は多い。
・ 比抵抗値の低下領域は降雨とともに表層より内部に向かって増加する。このことより比抵抗値の低下は降雨の浸透によるものとし、これを基として研究を進めている。
・ 比抵抗値低下の領域は台地上よりも斜面上の方が降雨に対して早く反応する。しかし、比抵抗値の上昇(内部の乾燥)は台地上の方が早い。垂直面内部の浸透の開始は、斜面下部の浸透後である。
・ 実効雨量と比抵抗値の低下領域との相関をとると、最も相関が良いのは比抵抗値の変化率が-5%〜-25%の時である。
・ 飽和状態になった時に比抵抗値が最も小さくなるとすると、水の動きがとらえられる可能性がある。
3.今後の課題

 問題点として、異常であるデータを明確にできないことがあげられる。そのため、採取されたデータの信頼度を考え、よいデータに重みを持たせて解釈してみようと考えている。また、定量化された数値を導き出し、地質学的なデータと照らし合わせる。目的に応じた地質学的データ(地質踏査・オーガによる土壌の垂直分布・植生、土地利用図)の補強。シラス台地全域内の本斜面の位置づけとして、地形区分をする。

★★★★ 今 週 の 独 り 言 ★★★★


マーベラスサンデー 天皇賞目指してGO!!

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連絡先:gse-sasa@sci.kagoshima-u.ac.jp
更新日:1997年2月27日