
第四紀火砕流堆積物より構成される台地上の比抵抗値と降雨の関係の研究は多くなされている。しかし、台地面・斜面を全体としてとらえた降雨浸透の研究はされていない。そこで、今回は斜面全体としてとらえた場合の降雨浸透形態の解明をすること、また、わかり得た物事を地質学的に考察することを目的とした。シラス台地における斜面崩壊の解明の一角を担うことが究極目的となる。
概要として、比抵抗値測定のために張られた測線の位置は、鹿児島県中央部に位置する十三塚原台地(東西6.5q南北9q、標高約200m〜250m)の開析された斜面上である。本斜面は、南を流れる日木山川の支流によって開析された谷の末端に位置する。探査測線(総延長71m)として、台地上は1m間隔で40m、斜面上は0.5m間隔で19m、垂直面は1m間隔で12mの合計97本の電極を埋め込んだ。計測開始は*95/7/23で現在も計測は継続中である。今回、*96/4/18〜8/7の期間を対象とした(計器故障によるデータの欠落を含む)。
2.これまでの成果探査測線を引いた斜面は、シラスと呼ばれる入戸・妻屋火砕流堆積物の非溶結ないし弱溶結部より構成される。垂直面下部は現河床堆積物上の崖錐堆積物に覆われている。測線の北部の谷底に円礫の層があり、現在検討中である。現在までに得られたデータより次のことがいえる。
・ 期間内の総雨量は1558.5mm(台風1回含)である。降水量は平年と比べて5月が少なく6・7月は多い。問題点として、異常であるデータを明確にできないことがあげられる。そのため、採取されたデータの信頼度を考え、よいデータに重みを持たせて解釈してみようと考えている。また、定量化された数値を導き出し、地質学的なデータと照らし合わせる。目的に応じた地質学的データ(地質踏査・オーガによる土壌の垂直分布・植生、土地利用図)の補強。シラス台地全域内の本斜面の位置づけとして、地形区分をする。
