紫尾山
 紫尾村にあり、當山は、盤根當邑、及び宮之城、山崎、東鄕、阿久根、野田、出水、羽月等の數邑に蟠り、世に專ら鶴田の紫尾山と稱じ、其山中群巒の上に秀拔したる一峯を上宮嶽(シャウクウタケ)といふ、其峯頂に小社ありて、上宮權現と號す、故に總名を上宮山とも呼べり、上宮權現社は出水の所轄なり、山麓當邑に、紫尾山三所權現廟を建つ、是を下宮とす、社地の傍に別當寺あり、神興寺と云、各其條に記せるを看て、此山の靈地なるを知るべし
 紫尾山は出水山地の最高峰です。出水山地は白亜紀付加体である四万十層群が広く分布し、紫尾山付近でその走向が東側のENE-WSW方向から西側のN-S方向へほぼ直角に曲がっています。北薩の屈曲として有名です。その曲がり角紫尾山には中新世(15Ma)の紫尾山花崗岩が貫入しています。しかし、紫尾山の山頂付近は花崗岩ではなくホルンフェルスです。花崗岩による熱変成を受けて硬くなったため、浸食に打ち勝ったのでしょう。
かだいおうち