Research Highlight
45T世界最高磁場下での熱分析に成功
2010年12月11日付:
小山が東北大学金属材料研究所附属強磁場超伝導材料研究センターで開発した示差熱分析装置を 米国立強磁場研究所(National High Magnetic Field Laboratory: NHMFL)の45テスラ世界最高定常強磁場磁石に導入し、磁場45テスラ(地磁気の90万倍相当の強磁場)下での実験に世界で初めて成功した。この実験によって、強磁性体MnBiの分解温度や包晶反応温度が磁場で制御できることを明らかにした。この結果は、磁場が新たな磁性材料の合成場として重要であることを示し、今後、強磁場磁気科学の発展に大きく寄与するものと期待している。本研究の成果は、2010年12月11日に欧州の材料系学術雑誌: Journal of Alloys and Compoundsのオンライン版で公開された。http://dx.doi.org/10.1016/j.jallcom.2010.11.082
 
 本研究用いた熱分析装置は、平成19年度財団法人池谷科学技術振興財団から「強磁場先端材料合成を目指した20テスラ超強磁場下示差熱分析」の助成を受けて開発した。また、本研究の一部は平成22年度科学研究補助金基盤研究(B)「機能性発現を目指した磁性金属の強磁場中状態図」の助成により行っている。
(小山佳一)