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[夏休み研究成果報告]
南九州で広大な面積を占めるシラス台地は主として後期更新世の火砕流堆積物,いわゆ
るシラスから構成されている。シラス台地は火砕流の堆積直後からの度重なる浸食作用に
より形成された地形である。このようなシラス台地地形の発達過程に関する研究は少なく,
その解明が望まれている。今回特別研究B(卒論)では,シラス台地の発達過程に関する
研究を行なっている。調査地域は,シラス台地の地形を利用して造られている知覧城(国
指定重要文化財・中世の山城)を選定した(上の写真および図1)。
図1 知覧城の位置と周辺の地形
知覧城を形成しているシラス台地の発達を知るためには,知覧城そのものだけでなくそ
の周辺部にいたる地質の分布・地形の変遷などを研究する必要があると考える。
知覧城周辺の地質は,四万十層群が基盤をなしそのくぼみに阿多火砕流(溶結凝灰岩)
が分布し,これらをシラスが覆っている。シラスの上面はきわめて明瞭な定高性を持つ。
いわゆるシラス台地と呼ばれている地形である。しかしこれらの台地は堆積後の浸食によ
り細分化されている。知覧城は,このように細分化された台地の一部を利用した山城であ
る。

図2 知覧城に見られる分水界
現在,知覧城内部において,その地形発達を考える一つの指標として段丘面プロットの
作図を行った(図2)。この結果シラス台地を開析する谷にはいくつかの段階が見られる。
また,知覧城内部で分水界が移動したらしい形跡が見られた。
今後知覧城の地下に分布している基盤岩の位置をおさえ,基盤岩とシラスとの地形発達
に関する相互関係を明らかにしていく必要がある。そのために,調査範囲を知覧城周辺部
へ広げ,大局的に見た知覧城の位置(地形・地質的)をおさえようと思う。
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更新日:1995年9月13日