講師:阿部 健 氏(熊本大学)
演題:ベクトル束のモジュライに関するランク・レベル双対性
概要:
ランクrのベクトル束のモジュライ上には一般テータ因子という
ジャコビアン上のテータ因子の類似物があり、それのn冪の大域
切断のなすベクトル空間の次元D(r,n)はVerlindeの公式で与え
られる。ランク・レベル双対性とは大ざっぱに言うと、D(r,n)と
D(n,r)の間に関係があり、それらは幾何学的に定義されるベクト
ル空間の双対性で説明される、という主張である。講義では、ま
ず前半で、初等的な場面で現れる双対性をいくつか思い出し、後
半で、ベクトル束のモジュライに関するランク・レベル双対性に
関して知られている結果を紹介してみたい。