講演者:西川青季 氏 (東北大学大学院理学研究科)
演題:複素フィンスラー計量と調和写像
概要:
調和写像の理論は,いろいろな問題の解決に利用されてきた.
なかでも,Siu-Yau による「Frankel 予想」の解決や,Siu
による「負曲率ケーラー多様体の強剛性定理」の証明は,と
くにすばらしい成功例として有名である.
これらの成功例に気をよくして,柳の下の泥鰌を捕えようと
すると,複素フィンスラー計量に対して調和写像の理論を一
般化することが考えられる.この講義では,閉リーマン面か
ら複素フィンスラー多様体への調和写像が,どのように定義
されるかということと,その除去可能特異点について解説す
る予定である.