| 地球環境科学科は、野外系の基礎自然科学を研究・教育している学科です。 地球環境科学科は,地球の自然環境を基礎科学の観点で研究・教育するための学科です。 地球環境科学科は、野外調査(フィールドワーク)を研究の主体とする基礎自然科学の学科です。 |

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地球環境科学科では、理学部附属南西島弧地震火山観測所・鹿児島大学総合研究博物館と密接な連携をとりつつ、従来の化学・地学・生物学を基礎としてグローバルな視点から地球の自然環境を理解することを目指しています。 |
![]() 日向灘での海底地震観測 |
![]() 観測して得られたデータの 計算機によるデータ解析 |
![]() 桜島の地殻変動観測 |
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地球環境の問題を解決するためには,まず,地球の自然環境そのものをよく知る必要があります.そのために,地球科学分野に基礎をおく地球コース(地質科学講座,
島弧火山講座),分析科学と生物学に基礎をおく環境コース(環境解析講座,多様性生物学講座)の2つの教育コース,4講座で教育が行われます. |
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地球環境科学は,すでに体系づけられた一つの学問分野ではなく,現在も,そしてこれからも地球の自然環境の問題を解決するために進歩を続けていく新たな学問分野で す.そのために,自らの研究分野の枠にとらわれない幅広い知識,グローバルな視点,そして柔軟な発想で問題を解決していくことができる人材の育成を目指し て,両教育コースが一体となって行われる授業が多数用意されています.また,南九州から南西諸島地域の多様な地学現象や豊かな生物相が織りなす自然に直接 触れて学ぶことができる数々の野外実習が準備されています. |
![]() サンゴ礁調査の実習(与論島) |
![]() 植生調査の実習(屋久島) |
【環境問題と地球環境科学科の位置付け】
| 近年,地球環境問題が世界的に注目されるようになり,環境問題に対する関心が非常に高まっています。 しかし,地球環境問題とは,人口問題や地球温暖化問題などに代表されるように,経済学や社会学,政治学などの文系分野から,基礎自然科学や工学・農学に至る大変幅広い学問領域にまたがっています。 そのためか,マスコミや出版物で一般に流布されている環境問題に係わる話題は,環境社会学や環境教育学,環境衛生学,環境工学などの主として応用環境学に属する事例が多いようです。 環境問題は,文系から理系にわたる個々の分野でそれぞれの視点に基づいて別個に研究が行われているのが現状で,現在のところ標準的「環境学」と呼べる学問体系は存在しません。したがって,「環境」という言葉自体のとらえ方も研究分野によって様々で,人によって受け取り方もかなり異なっています。 |
図 「環境に関する分野」についての理解図 ;主要な内容を拾ってみただけなので全ては網羅していません。 この図で判かるように一言に「環境」といっても各種の雑多な概念の集合体です。 鹿児島大学理学部地球環境科学科では青字で示した内容の研究・教育を行っています。 ![]() |
このため,地球環境科学科という名称をイメージのみでとらえて,本学科をゴミ問題や環境修復,環境マネージメントなどの環境問題の解決方法の探求を主目的とする応用環境学を学ぶ学科だと誤解している向きも過去には見受けられました。また,生活環境や都市環境・地域環境のような人間環境をあつかう学科だとの誤解も生じていました。本学科が研究・教育の対象とする「環境」とは地質・水・動植物などの自然環境を指します。また,自然環境問題の解決には,自然環境の現象を解明し分析するための基礎科学分野の研究が必須となります。地球環境科学科は,自然環境を基礎科学の観点で研究・教育するための学科です。
![]() 分析電子顕微鏡による鉱物の化学分析実習風景 |
![]() 元素分析 |
![]() 火山ガスの採集 |
【共通教育科目と専門教育科目】
本学科では,入学後の1年半は幅広い視野を身に付けるために,おもに共通教育科目の中から自然科学だけでなく人文科学・社会科学も含めた分野の勉強をします。専門分野も1年次からいくつかの科目を学んでいきます。2年次後半から主に学ぶ専門教育科目では,地学分野・生物学分野・化学分野という異なる基礎科学の視点で,自然界を支配する環境要因と原理の理解に重点を置いた多様で特色のある教育を行っています。
【どのような学習態度が望まれるか】
本学科では,幅広い知識とグローバルな基礎科学の視点から諸問題に対応できる人材の育成を目指しています。そのためには,調査,観測,観察あるいは実験などの地道な努力をいとわないことが必要です。また,理科全般,数学,外国語などの基礎学力を,1〜2年生の間にしっかり身につけておくことも重要です。
【特色ある2つの教育コース】
「生物分類学実験」の実験風景: 双眼実体顕微鏡での形態観察 |
学科の中には,地球科学に基礎を置く地球コース(地質科学と地震火山の2講座)と,分析化学と野外系生物学に基礎を置く環境コース(環境解析と多様性生物学の2講座)の2つの教育コース(計4講座)を設けています。 これらのコースでは,それぞれの専門性に応じて,高校理科での「地学」,「生物学」,「化学」,「物理学」と密接に関連した授業(講義,実験,実習)が用意されています。 2年次修了後,いずれかの教育コースに所属することになりますが,どちらのコースに所属する学生も他コースの科目を受講できます。 |
鹿児島大学長島臨海実験所での臨海実習 |
![]() 与論島実習:石灰岩崖地の植物観察 |
薩摩半島伍位野川:河川調査の実習 |
奄美大島古仁屋:上陸用ボートと鹿児島大学練習船 |
喜入町の干潟:干潟の生物密度の垂直分布調査 |
鹿児島大学長島臨海実験所付近:海岸調査の実習 |
奄美大島嘉鉄海岸:上陸しサンゴ礁観察実習 |
【貴重な鹿児島県の自然を活かした教育】
| 南九州から中・北部琉球列島に位置する鹿児島県の自然環境は,地震,火山,地質,海洋,風水害,干潟,サンゴ礁,亜熱帯性動植物,島の固有生物の進化,自然保護,環境中微量元素の分布などの観点から見て,きわめて多様性に富み,日本の他の地域では見られないユニークな特性を備えた地域です。 また,鹿児島県には,日本で2カ所のみ指定を受けている世界自然遺産地域の一つでもある屋久島が存在し,トカラ列島や奄美諸島も近々世界自然遺産地域の指定を受ける予定です。 このような地域の自然特性を活かした自然環境全般に関する,多様な講義,実験,実習による実践的な教育を目指しています。 |
鹿児島市喜入町:マングローブ林 の調査実習 |
桜島大正溶岩:転石海岸での生物調査実習 |
薩摩半島吹上浜:砂丘の海岸植生の調査実習 |
薩摩半島南部:照葉樹林で植物生態調査の実習 |
【野外調査を重視した教育】
与論島赤崎海岸:リーフの海岸生物調査 |
悪石島近海:鹿児島大学練習船での採水調査の実習 |
本学科では,各種の実習を通して、野外での体験的学習も重視しています。 野外系の実習では,火山や地質,多様な生物に富んだ九州から琉球列島,東南アジアにおよぶ自然にじかに触れることができます。 大学近郊の鹿児島市郊外や吉野台地,桜島,薩摩半島南部,大隅地方,霧島地方,北薩地方などへの日帰りの野外観察は随時行っています。 また,実験所などに泊まり込んで,教官や同級生と寝食を共にしながら野外調査を行う実習もいくつか用意しています。 これまでに,長島(北薩地方),天草,四国地方,屋久島,奄美大島近海(航海実習),与論島,マレーシアなどで長期実習を行っています。 |
霧島市高千穂峰:火山植生の調査実習 |
鹿児島大学寺山演習林:昆虫採集の実習 |
【卒業研究とゼミナール】
| 4年次になると希望する講座(研究室)に所属して,少人数のゼミを行い,専門領域に踏み込んだ研究を行います。 この課程では,高度な研究方法を学びながら,国内外における最先端の研究発表も論文講読などを通して理解し,各人の研究テーマに沿って自ら研究を進めていきます。 研究分野によっては、泊まりがけの野外調査を研究室で行います。 4年次の卒業研究は必修科目であり、年度末に各人が研究成果をまとめて、卒業研究発表会で発表します。卒業研究の発表はポスター形式で行っています。 |
霧島山系関平温泉:研究室の野外調査で山小屋に泊まる |
![]() 鹿児島市内にて:研究室の懇親会の一こま |
【望まれる卒業生像】
| 本学科では,自然環境問題や学問的課題に対して,現時点での流行や手法を鵜のみにして適用するような思考は良しとせず,常に基礎に立ち返って,批判的精神で現在の方法論や学説を検証し,合理的な新たな方向性を持って,問題解決に向けて社会をリードできる人材の育成を目指しています。 大学で教わった内容を,そのままハウツー式に用いていれば問題が解決できるとは限りません。 自らが思考し,広範囲な基礎的総合的視点の下に,新たなパラダイムを創造できる人間になっていかなければ,これからの「グローバル化」の時代を乗り切っていくことはできません。 |
![]() 卒業研究のポスター発表会 |
卒業式後の理学部全体の記念撮影 |
地球環境科学科の修士論文の発表会 |
![]() 博士(理学)の学位授与式 |
【卒業後の進路】
| これまでの卒業生の就職先としては,地質調査,環境コンサルタントやエンジニアリング会社,医薬品・食品メーカー,製造業などの企業,中学・高校の教員,官公庁の公務員などがありますが,大学院(博士課程前期,博士課程後期)へ進学して,より専門的に研究を深めている人も少なくありません。 | ![]() |
| 右写真: 阿蘇の自然林にて 南阿蘇ビジターセンターの職員(鹿児島大学理学部地球環境科学科の卒業生)が、一般向けの自然観察会で、講師として市民の皆さんに身近な自然の解説をしている一場面。 |
1.地球環境科学科の教育目標
1) 人類および地域社会が抱える自然環境に関する現実的課題に対して問題意識を持ち,問題解決へ向けた実践的能力を備えた人材を育成する。
2) 地学,生物学,化学の各分野に関するバランスのとれた基礎学力を持ち,地球科学(地質学,古生物学,地震・火山学等),野外系生物学(系統分類学,生態学,生物海洋学等),無機分析化学などのいずれかの基礎科学分野において,深い専門知識と技能を有する人材を育成する。
3) 各専門分野の講義に加え,野外調査を重視した実習や室内実験,演習などを通して,地域の地質,動植物,海洋,化学環境などにじかに触れることにより,専門的職業能力を有する人材を育成する。
4) 卒業研究やゼミナールなどを通じて,科学的な問題設定能力や解決能力を持ち,調査・研究成果を的確に発表できるプレゼンテーション能力を有する人材を育成する。
2.学生受け入れ方針(アドミッションポリシー)
地球環境科学科では,教育目標に沿って,下記に掲げる資質を持った人の入学を求めます。
1) 理科(少なくとも,地学,生物学,化学のいずれか)に強い興味と好奇心を持っている人。
2) 自然環境を理解する上での基礎科学として,地球科学,野外系生物学,無機分析化学などの分野を幅広く学ぶと同時に,いずれかの専門分野を深く探求したい人。
3) 自然環境に強い興味を持ち,科学的に自然現象を観察し分析できる人。
4) 室内での実験・観察だけなく,野外での観察や調査にも強い興味を持つ人。
5) 地道な基礎科学の勉学をいとわず,論理的な思考ができる人。
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