有機分光学(濱田季之)

教育紹介:有機分光学(濱田季之)

炭素を含む化合物を「有機化合物(有機物質)」とよんでいます。細胞、遺伝子、タンパク質なども含めて、生物体(生命体)が作り出す物質のほとんどは有機化合物であり、まさに生命の源となる物質であります。その他にも、地球上には、洗剤、塗料、衣服、紙、食品、香料、接着剤、ゴム、医薬品など、なんと2500万種類以上の有機化合物が存在しています。

それらの有機化合物は、それぞれ特徴的な「化学構造」を持っています。炭素で作られる骨組みに水素、酸素、窒素やハロゲン原子が肉付けされ、適材適所の有機化合物(化学構造)が作られます。天然の動植物に含まれる有機化合物にしても、人工的に合成された有機化合物にしても、解明されていない自然現象を調べたり、新しい医薬品を作ったりするためには、その有機化合物の「化学構造を分かる(決める)」ことが必要不可欠です。ただ、有機化合物は、直径が数nm(ナノメートル;10億分の1メートル)と小さく、その化学構造も虫眼鏡で簡単に観ることの出来るレベルではありません。現在までに確立された化学構造の決定法は、「核磁気共鳴(NMR)法を中心にした有機分光法」と「X線結晶構造解析法」の2つの方法のみであります。

本講義では、主に「有機分光法」を用いた有機化合物の構造決定法について学んでおり、有機分光法についての知識・使い方を演習形式で勉強しています。
全ての講義を受講すると、スペクトルデータから比較的小さな有機化合物の化学構造が決定できるようになります。