遺伝子工学(九町健一)

教育紹介:遺伝子工学(九町健一)

 生物の持つ多様な性質(形質)は、様々な種類のタンパク質が協調して働くことにより成し遂げられています。タンパク質は20種類のアミノ酸がある決まった順番で連結したものです。どのアミノ酸をどのような順番で連結するかを決定しているのが遺伝子です。代表的なバクテリアである大腸菌は約4000種類の、ヒトは約30000種類の遺伝子を持っています。
 遺伝子研究の成果は様々な分野で応用されており、我々人類の生活に役立っています。例えば、ヒトのインシュリン遺伝子の研究成果によって、インシュリンタンパク質を安価に簡単に大量生産することが可能となり、糖尿病の治療に大きく貢献しています。
 さまざまな生物のもつ有用な遺伝子を利用して役に立つ技術を開発するためには、その遺伝子を同定しなければなりません。同定とは、上の例でいえばヒトの30000種類の遺伝子のうちどれがインシュリンタンパク質をコードしていて、その遺伝子はどのような塩基配列を持つのかを明らかすることです。自分の研究対象の生命現象に関わる遺伝子を同定することは、基礎研究の分野でも必要不可欠です。
 この講義では、生物がもつ遺伝子の中から目的の(自分が欲しい)遺伝子を同定する方法をわかりやすく解説します。また、それを成し遂げるために必要な基本的な実験技術についても詳しく紹介します。

タギング法による遺伝子の同定