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平成21-24年度

実践的 コア・サイエンス・ティーチャー 養成スクール

理数系分野への知的好奇心に満ちた小中学生の育成を目指し,
理数教育において中核的な役割を担う
小・中学校教員(コア・サイエンス・ティーチャー:CST )養成スクール

「科学する楽しみ」を教えよう!

実施機関 鹿児島大学・鹿児島県教育委員会

連携機関 鹿児島県総合教育センター・鹿児島市教育委員会

 事業の概要

 1. 実践的CST養成スクールの目的

好きだった理科の勉強が学年が上がるにつれ,また中学校へ進むにつれて嫌いになった。理科の実験・観察を多く取り入れて探究させたいが,子どもたちに科学的な思考が苦手で理科を学ぼうとする力が弱いなど,理数教育における問題や課題があります。この傾向は,子どもたちをめぐる状況が一因であるとする一方で,理数科の指導を苦手とする教員や理科の実験・観察に係る知識や技能不足の指摘もあります。

このような状況の改善を図るためには,子どもにとっても教員にとっても,理数科のおもしろさを実感する経験や体験,実体験が大切だと考えます。

鹿児島大学では,実践的コア・サイエンス・ティーチャー(CoreScience Teacher,以下CST)養成スクールを開講し,小・中学校の理科教師を目指す大学院生や現職教員を対象に,理数教育における幅広い知識や先端的な知識及び実験・観察の知識や技能を習得し,子どもたちに「科学する楽しみ」を伝えることができる理数系教員の養成を図ります。また,地域における理数教育の拠点構築や活動を通して,理数教育において中核的な役割を担う教員として,地域の理数教育の指導力向上に資する人材の養成を目的としています。

 2. 実践的CST養成スクールの特徴

本養成スクールは,鹿児島大学と鹿児島県教育委員会が応募した「実践的CST(コア・サイエンス・ティーチャー養成スクールと活動拠点構築プロジェクト)」が,独立行政法人科学技術振興機構(JST)の平成21年度「理数系教員養成拠点構築事業」に採択され,準備並びに模擬試行を経て,平成22年4月から本格的な養成を開始しました。

鹿児島大学大学院理工学研究科,農学研究科,水産学研究科,教育学研究科,鹿児島県教育委員会,鹿児島県総合教育センター及び鹿児島市教育委員会が連携し,各研究科及び教育機関の特徴を活かしたCST養成教育プログラムから成る「実践的CST養成スクール」として開講しています。

さらに,教育学研究科修士課程に平成21年度に設置された理工系学部卒業生を対象とした「小学校教諭免許状取得3年間コース」により,理工系学部出身者が小学校CST教員になるために必要な知識・技能を習得する新たな道が開かれていることも大きな特徴です。

CST養成スクールを受講するには,鹿児島大学大学院理工学研究科,農学研究科,水産学研究科,教育学研究科に在籍する大学院生であり,小学校教員免許,中学校教員免許(理科)のいずれかを取得或いは取得する見込者であることが必要です。また,小・中学校における理数教育の即戦力となるCST教員養成のため,小学校・中学校(理科)の現職教員も受講者として参加できます。

本CST養成プログラムを修了した大学院生及び現職教員は,CST教員の認定を受け,将来,CST教員として県や市町村教育委員会,鹿児島県総合教育センター等と連携しながら,授業提供や事例発表など積極的に行って現場の教員をリードしていくなど,地域の理数教育において中核的な役割を担い,小・中学校での理数教育における指導力向上を目指す重要な役割が期待されています。

平成23年度は,大学院生と小・中学校の現職教員の総数26名が,本学独自のカリキュラムによって,講義や実験・実習,討議などを通して,科学する楽しみを体感しつつ知識や思考の拡充を図り,科学的なものの見方や考え方を養っています。

CST養成スクールで培った「科学する楽しみ」を子どもたちに伝えられる教員として,それぞれ本務とCST養成スクールの受講を両立させ,主体的に取り組んでいる光景が見られます。


受講者の「前期授業を振り返って」より
  • 授業では,毎回,実験・観察があり体験して学ぶことが多くてよかった。
  • 学生に戻ったみたいで楽しく学んでいる。
  • もっと理科を学びたい。そして,子どもたちに科学の面白さを伝えたいという強い想いをもってCST授業に臨んでいる。
  • 実験の注意や観察時のポイントなど,講義による知識,実験を体験しながら学べるので,子どもの目線で考えることができる。
  • 講義の内容や実験のアイデアは,すぐに子どもたちに伝えたり,実践したりしている。学校では,子どもたちが理科室に来るたびに疑問を持ってくるようになった。

 3. 実践的CST養成スクールへの応募資格

(1) 大学の学部在籍中に小学校教諭免許状或いは中学校教諭免許状(理科)を取得している本学大学院生(修士課程あるいは博士課程)。
(2) 大学院在籍中に小学校教諭免許状或いは中学校教諭免許状(理科)を取得見込の本学大学院(修士課程或いは博士課程)在籍学生。
(3) 鹿児島県の小学校・中学校(理科)の現職教員。

 4. 実践的CST養成スクールの養成期間

(1) 養成期間は原則2年間(1期~4期)です(長期履修学生制度適用者はその期間)。
(2) 現職教員の受講期間は原則1年間(1期と2期)です。

 5. 実践的CST養成スクールの受講料

平成22~24年度の受講にかかる費用は無料です。

 養成プログラムについて



本養成スクールでは,「共通授業群(必修)」と「選択授業群」から構成する授業を提供しています。これらの授業を鹿児島大学大学院理工学研究科・農学研究科・水産学研究科・教育学研究科に在籍する大学院生及び小・中学校の現職教員ともに受講する必要があります。

全体の構成

 1. 「共通授業群」の概要

以下の必修3授業が一連の流れとして複合的に学べるよう構成されています。(表1参照)。

◇「実践理科実験室」
    小・中学校の理科で行う学習内容や観察・実験に必要な理論及び方法等の高度な知識と技能を習得します。
◇「実践理科指導実習」
    理科教育に必要な指導方法について理論を学びます。
◇「実践理科教育実習」
    大学院生は,1年目に大学において受講生が相互に教師役と生徒役になって模擬授業を実施し,2年目に鹿児島市内の小・中学校において実際に児童・生徒に理科の授業(体験実習)を行います。現職教員は,勤務校で実施します。

表1 共通授業群(必修)の一覧
科目科目概要授業時間実施期間主な実施場所
共通授業群実践理科実験室

小学校,中学校の理科(物理・化学・生物・地学)で取り上げられる実験・観察課題を題材にし,実験・観察を理解するために必要な理論的講義と実践的な実験・観察を実施する。

実践理科実験室は,物理学実験室,化学実験室,生物学実験室,地学実験室の4実験室から構成される。

各実験室は,原則5テーマを選び,1テーマ当たり講義を主とした授業1回,実験・観察を主とした授業1回の組み合わせとなっている。

1実験室について,講義 を主とした授業90分×5回,実験・観察を主とした授業90分×5回を実施し,全実験室の総時間数は60時間 

〔1期〕
物理学実験室
生物実験室
(※1)

〔2期〕
化学実験室
地学実験室
(※1)
鹿児島大学
実践理科指導実習①TA実習

学部教育において実施されている各種実験・実習・演習において,指導補助を担当し,実験・実習・演習の準備から指導までの取り組みを行う。ただし,本実習の時間数は設定しない。
 現職教員は実施する必要はない。

①設定なし① 1 期~ 4 期の任意の期①鹿児島大学
②理科教育指導法②90分×8回②2期(※2)②鹿児島大学
③理科研修実習③5時間×2日間=10時間③1期 ~3期③鹿児島県総合教育センター
実践理科教育実習

「実践理科実験室」及び「実践理科指導実習」 で学んだ事項を,模擬授業と実際に小・中学校の児童・生徒を指導することにより,実践的な指導力及び教育力の向上を目指す。

①理科模擬授業実習
 (大学院生のみ受講)
教師役:80分×2回
生徒役:80分×人数
1期・2期鹿児島大学
②理科教育実習○ 事前指導:50分×2回
○ 教育実習:8時間×5日間=40時間
○ 事後指導:50分×2回
3期・4期
※現職教員は1・2期で実施
鹿児島市内の小中学校で実施。ただし、現職教員は勤務校で実施。

※1:原則、土曜日に開講。

※2:原則、土曜日に集中講義形式で開講。


 2.「選択授業A群」及び「選択授業B群」の概要

鹿児島大学大学院の各研究科の特徴を生かした授業から成る選択授業群で,学部教育で開講されている授業或いは新規に開講する授業で構成されています。(表2参照

   (1) 選択授業A群(教科に関する授業群)表3参照

「基礎力養成講義」授業群から1科目以上を選択し,20時間以上を受講します。現職教員の方々は,「基礎力養成講義」の「先端科学入門」を受講することになっています。

◇「基礎力養成講義」
    理数教育についての理論面を学びます。理工系学部で開講されている授業の中から,学部で学んだ専門分野以外の学問分野を受講します。

   (2) 選択授業B群(教職に関する授業群)

下記の授業から1科目以上を選択し,合計で20時間以上を受講します。ただし、現職教員は「選択授業B群」 を受講する必要はありません。

◇「教員養成基礎講座Ⅰ」
    教職についての知識や理解を深めます。
◇「教員養成基礎講座Ⅱ」
    教師に求められる資質・能力,学校組織や教育課程等の理解を図ります。
◇「教職応用研究」
    将来,教師になる上で必要な知識・技能等に関して,自己課題を自覚し,充足していない点を必要に応じて補います。

表2 選択授業群の一覧
科目科目内容授業時間実施期間主な実施場所
選択授業A群基礎力養成講義

理工系学部で開講されている授業科目を活用し,学生が学部で学んだ専門分野以外の学問分野の基礎的講義を受講させ,幅の広い基礎学力の向上を目指す。

開講科目は,表3の一覧から1科目以上を選択する。現職教員は、「先端科学入門」を受講する。

1授業当たり
90分×15回=22.5時間
1期~4期鹿児島大学
選択授業B群教員養成基礎講座Ⅰ

教職への理解を深め、素養となる知識・理解や全体像を捉えさせ,教師の実践面につながる内容を位置づけ,学生の意識の深化を図る。

60分×15回=15時間1期・2期鹿児島大学
教員養成基礎講座Ⅱ

教師に求められる資質能力の概観,学校組織や教育課程など全体的な視点,学級経営,教科指導以外の学校現場における実践的内容を講義する。

60分×15回=15時間1期・2期鹿児島大学
教職応用研究

将来教員になる上で必要な知識・技能等に関して,学生の自己課題を自覚させ,必要に応じて不足している点を補う。

90分×15回=22.5時間1期~4期鹿児島大学
表3 基礎力養成講義一覧
分 野授 業 名 開講期実施場所
数学基礎講義数理科学入門1・3期鹿児島大学
理学部
情報科学入門1・3期
物理基礎講義電磁気学入門1・3期
波動物理学入門2・4期
化学基礎講義有機化学入門1・3期
無機化学入門2・4期
生物基礎講義種生物学1・3期
細胞生物学入門2・4期
地学基礎講義地形解析の基礎2・4期
海洋底の環境学1・3期
他分野講義理学論2・4期
先端科学入門(※31期・(3期)

※3: 「先端科学入門」は,鹿児島大学理学部,工学部,農学部,水産学部に所属する教員の専門分野から成る先端科学トピックスの
     内容(表4参照)です。現職教員受講者が受講するとともに,大学院生受講者も受講することができます。小・中学校の夏季休業
     期間に各学部1日の集中講義(全4日間)形式で開講する予定です。


表4 平成23年度に実施した「先端科学入門」の講義テーマ例 (開講年度により,講義テーマは変わります)
水産学部魚の赤ちゃんの育て方~種苗生産って何?~工学部建築構造の形態創生
錦江湾の海洋生態系連帯による持続可能な社会のためのエネルギー教育
魚型ロボットの人工筋肉知能ロボットと自動化
理学部プレート境界で発生する地震農学部気になる最近の動物(家畜・家禽)感染症
謎が渦巻く天の川銀河花色研究の100年の歴史
偏在するリズムとカオス焼酎とバイオテクノロジー
全身で味を感じる魚の摂餌行動の神経機構熱帯植物遺伝資源と機能性成分について

 3.授業案内(シラバス)

授業案内はPDFファイルをご覧ください。

表5 「共通授業群」
授業科目授業内容補足
共通授業群 実践理科実験室 物理学実験室 物理学実験室  
生物学実験室  生物学実験室  
化学実験室  化学実験室  
地学実験室  地学実験室  
実践理科指導実習 TA実習  
理科教育指導法 理科教育指導法  
理科研修実習 理科研修実習 5講座の中から1講座選択  
表6 「選択授業群」
授業科目授業内容補足
選択授業A群 基礎力養成講義(理学部)  
選択授業B群 教員養成基礎講座Ⅰ(教育学部) 教員養成基礎講座Ⅰ  
教員養成基礎講座Ⅱ(教育学部) 教員養成基礎講座Ⅱ  
教職応用研究(教育学部) 教職応用演習  

 4. 受講の参考として

養成スクール在籍期間中の授業の受講例(表7:大学院生のケース/表8:現役教員のケース)を示していま す。なお、表中の◎は必修、〇 は選択を示します。

表7 大学院在籍学生の履修例
 科 目 名授 業 名1期
(4~9月)
2期
(10~3月)
3期
(4~9月)
4期
(10~3月)
共通授業(必修) 実践理科実験室 物理学実験室      
生物学実験室      
化学実験室      
地学実験室      
実践理科指導実習 TA実習      
理科教育指導法      
理科研修実習     
実践理科教育実習 理科模擬授業実習     
事前指導      
理科教育実習      
事後指導      
選択授業A群 基礎力養成講義 数学基礎講義       
物理学基礎講義       
化学基礎講義       
生物学基礎講義       
地学基礎講座      
他分野講義      
選択授業B群 教員養成基礎講座Ⅰ       
教員養成基礎講座Ⅱ       
教職応用研究        
表8 現職教員の履修例
 科 目 名授 業 名1期
(4~9月)
2期
(10~3月)
共通授業(必修) 実践理科実験室 物理学実験室 
生物学実験室 
化学実験室 
地学実験室 
実践理科指導実習TA実習--
理科教育指導法 
理科研修実習
実践理科教育実習 事前指導 
教育実習 
事後指導 
選択授業A群 基礎力養成講座 先端科学入門 

 修了要件とCST教員の認定について

下記の要件①~⑤を全て満たした大学院生は,実践的コア・サイエンス・ティーチャー養成スクールの修了認定書が授与されます。
小・中学校の現職教員等には,学校教育法に基づいた履修証明書が交付されます。

要件① 共通授業群(必修)120時間を修了
要件② 選択授業A群より20時間以上を修了
要件③ 選択授業B群より20時間以上を修了
要件④ 選択授業群の総修了時間数が40時間以上であること
要件⑤ 小学校教諭免許状或いは中学校教諭免許状(理科)を保有していること。
  または,修了時までに取得可能な段階に至っていること

ただし,受講者が小・中学校の現職教員の場合は,上記要件③④は免除できる。

 CST教員の活動と将来構想について

CST教員は,鹿児島県総合教育センターで実施される短期研修講座(理科)において,授業提供や事例発 表者として活動を開始します。将来的には,鹿児島県総合教育センターや教育委員会等と連携して,各地域での「理科研修会」の講師, 地域における小・中学校の理科教育の中核的役割を担い,授業支援指導者や授業アドバイザーとしての活動 などが構想されています。

 平成23年度の受講者募集について

(1)大学院在籍及び在籍を予定している学生の受講者募集は,平成24年2月に実施します。募集定員は10名を予定しています。応募者が募集定員を超えた場合は,面接等の口頭試問を実施することがあります。
(2)小学校・中学校(理科)の現職教員の受講者募集は,平成23年12月に実施します。募集定員は小・中学校の現職教員から10名程度を予定しています。受講を希望する方は,学校長を通して管轄の教育委員会等にご相談してください。
(3)募集に関する詳細は,本CST養成スクールホームページ内の「平成24年度実践的CST養成スクール受講者募集のご案内」
表9参照)をご覧になってください。なお,受講を希望する方は,「受講志願票」或いは「受講申込書」をダウンロードし,必要事項を記入して応募期間内にお申し込みください。
表9 応募に関する資料等 平成24年度受講生募集の案内(word)Word文書 ・ 平成24年度受講生募集の案内(PDF)PDF文書
平成24年度実践的CST養成スクール受講者募集のご案内
受講志願票(様式1):大学院生・学部生の受講申込み
受講申込書(様式2):小学校・中学校(理科)現職教員の受講申込み

【お問い合わせ】

〒890-0065 鹿児島市郡元1丁目21番24号

■鹿児島大学在籍学生は,所属する学部,研究科に問い合わせてください。
鹿児島大学理学部学生係(☎099-285-8025) 鹿児島大学農学部学生係(☎099-285-8532)
鹿児島大学水産学部学生係(☎099-286-4040) 鹿児島大学教育学部学生係(☎099-285-7877)

■小・中学校の現職教員の方は,鹿児島大学理学部学生係にお問い合わせください。
[ 電    話 ] 099-285-8025
[ 電子メール ] gakusei@jm.kuas.kagoshima-u.ac.jp
[ CST養成スクールホームページ ] http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/characteristisc_dir/cst.html

更新日付 2011.11