受験生のみなさま

卒業生からのメッセージ

佐藤 沙織
平成21年度卒業イーアンドエム株式会社勤務

システム開発をとおして感じるコミュニケーションの大切さ

 現在、住宅系構造計算システムの開発に従事しています。一言で言うと、皆さんが住んでいる家が風や地震等で破壊しないかを判定するものです。人命にも関わる責任の重い仕事で、入社当初は緊張の連続で続けられるか心配になったものです。しかし、開発は10人程度のチームで助け合いながら行うため、徐々に不安が薄れ、自分の意思を押し出して仕事ができるようになりました。
 鹿児島大学にはいろいろな出会いがあり、コミュニケーション力を養うのに絶好の環境だと思います。入学前は人前で話すことが苦手だった私が、社会に出てすぐに溶け込めたのは鹿児島大学での様々な出会いのお蔭だと思っていま。数学をとおして身に付けた「物事の仕組みを整理して考える能力」はコミュニケーションを円滑にすすめることに役立っています。
 失敗を恐れず、いろいろな人とコミュニケーションをとって、自分の表現方法を学んでください。社会に出ると、お客様や同僚など、常に「誰か」とコミュニケーションをとることになります。コミュニケーションをうまくとれないと周りの人もどうサポートして良いかわかりません。学生時代に培った表現能力はきっと社会に出て役立つときがくると思います。

永野 哲也
昭和62年度修了 長崎県立大学国際情報学部教授

何か『一つ』に全力を投じてください

 長崎県立大学に数学の教員として勤めています。数学を教える科目では、線形代数と微分積分の内容をそれぞれ半期ずつ教えています。他には、情報数学として高校数学の復習的な内容や、情報理論として符号化理論の触り程度のことがらをそれぞれ半期教えています。また、パソコン演習も担当していて、ワードやエクセルなども教えています。
 鹿児島大学を選んでよかったと思うことは、ずばり、研究職に付けたことです。長崎県立大学では情報メディア学科に属しています。そのものずばりの数学科ではないですが、文理混合の学科で、コンピュータ系を志望する学生には数学的素養は不可欠ですのでそちらの教育を担当しているわけです。地方大学ではあっても研究者に必要な学識の習得は十分できます。鹿児島大学は、学部数、学科数とも中央の大学に劣りません。もちろん教授陣はそれぞれの分野のエキスパートがそろっていますので、数学という果てしない世界を十二分に堪能することができます。ただし、自分が望むならです。望まなければ無味乾燥な時間が流れていくだけです。望む限り果てしない知の源泉を堪能するかどうかは、皆さん次第です。

高田 芳和
平成9年度修了 株式会社ネットワーク応用通信研究所

鹿児島で物理を学び大学時代を過ごせた幸せ

 自宅外から通う学生は大学の近くに住んでいるので、友達同士で気軽に集まれます。大学時代は遊びたい盛りですが、中都市なので鹿児島は遊ぶ場所があります。東京や大阪などの大都市には都市の喧騒がありますが、鹿児島は都市の機能が揃っていても都市の喧騒はありません。大人の入口の時代に街の喧騒に振り回されずに落ち着いて過ごせるのは、勉強するにも自分を造るにも良い環境かもしれません。
 今も思い出せる講義があります。高校で F= ma と習った運動方程式を微分方程式として扱う講義です。”微分とは何か”、微分の定義から丁寧に教えて頂きました。受験用の勉強でもなく、数学を避けてやさしく包んだ勉強でもない科学するための勉強と時間が物理科学科にあります。私にとって科学する時間を持てたことは、社会に出て仕事上で学び続ける底力になっています。
 私が所属した研究室はパソコンによるシミュレーションを多用する研究室だったので、大学4年に研究室に入るとシミュレーションのプログラミングを多くしました。研究で使うソフトウェアが一通り Linux を使った OS で無償で提供されていたので、Linuxにはまりました。これが、現職のインターネット上のサーバの管理やネットワーク構築の仕事に繋がっています。

丸山 健太
平成19年度修了 宇宙航空研究開発機構

ナンバーワンではなく、オンリーワン

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)で人工衛星の試験設備を担当しています。宇宙に打ち上がる前の人工衛星と日々向き合いながら、宇宙開発を円滑かつ効率的に進める方法を模索しています。
 鹿児島大学ほど多くの望遠鏡を扱っていて、自分たちの手で扱える大学は他に無いと思います。また、鹿児島という暖かい土地柄・人柄、焼酎による呑みニケーション、温泉による癒しは大学生活を満喫する上でかけがえのないものでした。
 ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指して下さい。学生時代のうちにできるだけ多くの経験を積み、自分だけにしかないものを見つけて下さい。それがたとえナンバーワンでなくても、かけがえのない財産になるはずです。

戸高 優
平成23年度卒業 鹿児島大学理学部生命化学科卒業

大学は将来の自分と真剣に向き合う大切な場所

 私は鹿児島大学理学部生命化学科で、専門的知識だけでなく、学校生活や研究生活を通して社会人として生きていく上で大切なことを多く学びました。
 現在は、女性警察官として地域住民の方々の安心安全を守れるように努めています。今の職業と大学で学んだことは一見繋がっていないように思えます。しかし、社会人になった今、研究生活の中で培った「効率的な時間の使い方」、「一つの物事を多面的にとらえる力」、「何度失敗しても諦めない心」など、大学で学んだ一つ一つのことが生きていると実感しています。
 大学は将来の自分と真剣に向き合う大切な場所だと思います。大学生活を通して、たくさん学び、いろいろなことに興味を持ち、何にでも挑戦をしてください。その中には社会に出てから役立つ事がたくさんあるはずです。皆さんにはより充実した大学生活を送り、諦めることなく自分の夢や希望を実現してもらいたいと思います。

平島 雅
平成20年度修了 株式会社新日本科学勤務

病気に苦しむ人々救うことに、やりがいと責任を感じる仕事

 私は現在、新日本科学という会社で働いています。私の仕事は、製薬会社などが生み出した新薬候補をヒトに投与しても大丈夫か、どのくらいの量を投与するか、実験によって明らかにすることです。私たちの行う実験が、病気に苦しむ多くの人々を救うことに繋がるため、やりがいと責任を感じながら日々仕事をしています。
 鹿児島大学には様々な学部学科があります。他学部と連携して研究を行うこともあり、そこで学ぶ学生や先生方と交流することで、広い視野を持つことができました。また、より専門的な知識、技術を身につけることができ、大学時代の研究が現在の仕事に就くきっかけにもなっています。
 大学は、自分の将来を真剣に考え、自分の可能性を見出す場だと私は考えます。ぜひいろいろな価値観を持つ人たちに出会い、いろいろなことを学んでください。大学時代に経験したことは、社会に出てからもきっと役に立つと思います。

国村 真希
平成15年度卒業 環境省南阿蘇ビジターセンター勤務

一般市民向けに生物多様性の情報を発信

 地球環境科学科では、多様性生物学講座に所属して野外生物学を学びました。大学で得たものが、今のこの仕事につながりました。
 現在、熊本県阿蘇郡高森にある南阿蘇ビジターセンターにおいて、定期的な観察会やイベント等を企画・実施したり、ビジターセンター及び隣接する野草園関連の情報発信(ホームページ作成や情報パネル等)等を行っています。
 この仕事は阿蘇地区パークボランティアの会や地元の方々と連携を図って活動していますが、私自身も実際に観察会を開催したり、一般市民向けの自然観察の個別ガイドもしています。その時に気を付けていることは、参加者に阿蘇の自然の特異さやおもしろさをいかに分かりやすく提供できるかです。地球環境科学科の多様性生物学講座では、生態学や分類学などの野外生物学について熱心な先生が多く、野外の動植物に関して幅広く学ぶことができました。そのおかげで自然に対するものの見方も変わってきたように思います。
 大学に入ってからの4年間は長いようでとても短く、そしてこれまでの人生の中でも最も重要で価値のあるものだったと思います。みなさんはそれぞれに希望をもって頑張っていることと思います。是非、鹿児島大学に入学されて、自分の夢に一歩でも近づいてください。希望さえ捨てなければ、きっと大丈夫です。

池田 忠広
平成18年度修了 兵庫県立人と自然の博物館勤務

ヘビ化石から恐竜化石へ

 愛すべき鹿児島大学を離れて早2年、現在私は、恐竜化石の(竜脚類)研究チームの一員として博物館で働いております。
 私は博物館で色々な方に恐竜について解説やセミナーを行っていますが、そんな時、「私の専門はヘビ類なのですよ」と説明すると非常に驚かれます。私は卒論から博士論文に至るまで終始ヘビ類化石また現生のヘビ類骨格の研究を行ってきました。当初、私は化石といえば恐竜や大型哺乳類というイメージを持っていたため、ヘビという研究対象にかなり驚いたことを覚えています。しかしながら、多くの先生や先輩方に御指導をして頂くなかで、研究に大事なのは、研究の対象物ではなく、論理的・科学的視点なのだという事を私は学びました。そういった考え方を持つことで、多くの事に興味を持つことができ、日々色々な事を知る毎日が楽しく思えます。
 今後は、化石の研究活動に加え、博物館という場所を活かし、多くの子供たちに科学の楽しさを伝える事が出来ればと思っています。